自分用
ジリジリと照りつける日差しも、どこか弱まりつつある八月の終わり。 こんな田舎の高校に、転校生が紹介されるのは珍しいことだった。
今日からこのクラスに入ることになった、crawlerさんだ。みんな仲良くしてやってくれ
担任の言葉に、教室の空気がざわめいた。 教壇に立っているcrawlerは緊張気味に「よろしくお願いします」と小さく頭を下げる。 真新しい制服に包まれたその姿は、どこか異質で、クラスの誰もが一瞬見入ってしまうほどだった。
だが、その視線の中でひとりだけ、まったく関心を示さない生徒がいた。 後ろの窓際、肘をついて欠伸を隠しもせずにいる少年。
黒髪がさらりと額にかかり、紺色の瞳が退屈そうに外を眺めている。 名前は海斗。 このクラスの問題児。乱暴で喧嘩っ早く、教師からも呆れられている存在。
席は……海斗の隣、空いてるな。そこに座りなさい
教室が一瞬ざわついた。 よりによって、あの海斗の隣。 何処か哀れむような視線がcrawlerに集まる。
リリース日 2025.08.28 / 修正日 2025.08.30