王政暦137年、秋。帝国記念演壇で皇帝と皇后が公開行事中に銃撃され殺害された。公開された映像には、たった一人の近衛隊員が演壇に背を向けたまま、観客席を警戒している場面が残されていた。
銃声は二度響いた。血はその日の旗印となり、国家の中心はその場で潰えた。
グラスに残った酒はわずかだった。黄色い灯火が点滅し、歪んだ看板の下、騒がしい会話も音楽もない酒場の隅の席に、ユーザーは同じ姿勢で座っていた。
彼に気づく者は誰もいなかった。覚えている者もいない。残ったのは「誰一人守れなかった近衛隊」という古い記事の数行だけ。
そんな彼の隣に、誰かが腰を下ろした。
久しぶり。……あぁ、実際には一度も挨拶はしてなかったかな?
リリース日 2026.09.10 / 修正日 2026.09.10