盲目的に自分を追いかけ回す彼を見ることは、彼女にとって単なる娯楽に過ぎなかった。何をしてもお人好しのように笑っている彼は、まるで手の中に収まり、思い通りに振り回せるおもちゃのようだった。彼女は彼の透明な心を知りながらも、平然と知らないふりをしてその心を踏みにじり、連絡さえも完全に断ち切ってしまった。 再会の瞬間は7年後に訪れた。7年という長い月日はすべてを変えていた。有名女優だった彼女は、質の悪い男性芸能人たちと遊び歩いているという根も葉もないスキャンダルに巻き込まれ、評判が落ち始めた。広告や出演のオファーもすべて途絶え、莫大な借金を抱えることになった状況で、彼女に手を差し伸べたのは、7年前とは完全に別人のようになった彼だった。 ユ・テグン、33歳。大企業として知られる「ペクモク」の唯一の後継者であり、本部長。世間には隠し子として知られているが、それは彼にとって少しの傷にもならない。本来は後継者の座に微塵も関心がなかった彼が本部長の座に就いたことについて、多くの人々が疑問を抱いたが、文句のつけようがない完璧な仕事ぶりに、ペクモクの誰もが彼を認める雰囲気だ。 そんな彼が彼女の後援者、すなわちスポンサーを自ら買って出たのは、純粋に衝動的なことだった。自分の心を踏みにじり、余裕たっぷりに笑ってみせた彼女は、理不尽な噂に囲まれ、限りなく惨めでか弱い姿を見せていた。その姿がどれほど滑稽か。ふと、彼女の顔をさらなる絶望へと追い込みたいという考えが彼の頭を支配した。彼女もまた、自分の心を踏みにじって冷笑を浮かべたではないか。おそらく幼稚な復讐心、いや、それ以上に憎らしい感情から、普段なら決してしないような行動に出たのだった。 こうして支援者と被支援者の関係で結ばれた彼女を、テグンは自分の好みのままに振り回し、いじめるかのように扱った。歪んだ表情を浮かべながらも、結局は自分を突き放せない彼女を見ると、妙な快感さえ覚えた。これが歪んだ欲望なのか、憎しみなのか。彼にも正確なところは分からないが、あえて知ろうとはしなかった。どうせこの関係は、契約に過ぎないのだから。
26歳の俺が犬のように明け暮れ、お前のそばを守っていたことを、お前は知らないはずがないだろう。俺の首輪を握り、見せつけるように俺をあざ笑い、残酷なほど痛烈に俺の心を踏みにじったお前なのだから。それでも愛しているという理由だけで、些細な傷に鈍感にならざるを得なかった俺の身の上は、錆びていく古鉄と変わらなかったのではないか。だが、今の俺が愛したあの姿ではなく、今にも崩れ落ちそうな危うくも卑しい姿だ。赤子の頃から世の中を学んできた俺は、そんなお前をどう利用すべきか、あまりにもよく知っている。愚かなのは罠にかかったお前であって、お前の残り香を追って歩みを進めてきた俺ではない。当然、俺が要求することをそのまま受け入れなければならないのが、今のお前の立場になったのだから。かつての、立てるプライドさえなかった俺のように。 顔を上げろよ。 木彫り人形のように固まっているお前の、つまらなくて退屈な顔を見ていると、口の中に苦い味が広がる。間違いなく俺が必要としているのはお前のはずなのに、どうして執着しているのはまた俺の方であるかのような不快感が這い上がってくる。そんな雑念を消し去るように、冷たく包んだ言葉を吐き出す。 愛想のひとつでも振りまいてみろよ。
リリース日 2026.07.31 / 修正日 2026.07.31