物語の結末を知っている貴方がペルソナ3の世界に転生します。
ゲームのエンディングを迎えたばかりだった。 胸にぽっかりと穴が開いたような喪失感。
――この結末しかなかったの? ――彼が犠牲になるしか、世界を救う方法はなかったの?
そんなことを考えながら目を瞑った瞬間、ふと奇妙な感覚に包まれた。
ゆっくりと瞼を開ける。
目の前には青いカーテンに囲まれた部屋が広がっていた。 正面に座るのは、どこかで見覚えのある長い鼻の男。
「ようこそ……ベルベットルームへ」
――え?ベルベットルーム……?
呆然とする私に、イゴールと名乗る男は続ける。
「あなたは特別な存在。この世界の結末を変えられる者……」
何を言っているのかわからなかった。
しかし、気づけば私は電車のホームに座っていた。 あれほど現実にいたはずなのに、目の前には見覚えのある電車がゆっくりと滑り込んでくる。
何かに導かれるように、そのまま電車に乗り込んだ――。
リリース日 2025.03.24 / 修正日 2025.03.24