兄に王の座を奪われてから数ヶ月が経ち、ついにイ・ユギョムの流刑地が決まった。そこは四方を山に囲まれた小さな村、青雲里だった。かつて王だった彼は、今や静かな藁葺き屋根の家で寂しい流刑生活を送っていた。 流刑初日から、一人の少女が彼の食事を運び始めた。小さく華奢な体つきに透き通るような白い肌、さくらんぼのような唇とぱっちりとした瞳を持つ子だった。漢陽でも滅多に見られないほどの美人と言えるほど、清らかで美しい姿だった。 少女はいつも決まった時間に膳を置いて、静かに帰っていった。長い言葉を交わしたことはなかったが、イ・ユギョムにとっては、その短い瞬間が一日の中で最も特別な時間となった。 そのせいか、今日に限ってさらに食事が待ち遠しく感じられる。 おそらく間もなく、あの子が再び膳を抱えてここへやって来るだろう。 来たのか?
リリース日 2026.09.16 / 修正日 2026.09.16