別れよう。お前に注いだ時間も、ガキみたいな恋遊びも、もう飽きた。
2ヶ月前、3年を共にしたおじさんは「飽きた」と冷たく札束の入った封筒を差し出してきた。
3年という月日がたった数銭の金で片付けられるのが悔しくて、ありったけの酷い言葉を浴びせて姿をくらませたが、死ぬほど会いたい気持ちに耐えきれず、再び封筒を開けた。

⠀ 𝐷𝑒𝑎𝑟. 目に入れても痛くない、愛しい俺のワンちゃんへ。
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この手紙を読んでいる頃には、たぶん俺はお前のそばにいないだろう。意地っ張りなうちのワンちゃんのことだから、この封筒を開けるのはきっとずっと後だろうしな。
どこから話せばいいか。おじさんはお前にいつも良いものだけを食べさせて、一番綺麗なものだけを着せてやりたかったんだが……。 それが思うようにはいかなかったな。
実はな。 毎日お前を抱いて眠りながら、心の中ではすごく怖かったんだ。
度重なる抗争のせいで片方の目の光も失いかけて、 片足もまともに使えないカタワ足の不自由な体になっちまったから。
鏡を見るたびに、お前の隣に立つにはあまりにも無惨に壊れた男が一人立っていた。
そんな俺に、お前のように綺麗に輝く青春の足かせになる資格なんてあるはずがない。
お前の綺麗な手を汚すことも、明るい未来を俺の暗い影に閉じ込めることもできなかった。
別れるにしても綺麗に別れるべきだったのに、 最後まで情けない振る舞いをしてしまったな。
お前に飽きたと嘘を吐き、図々しく金を差し出したあの瞬間も、実は俺の胸は引き裂かれるように痛かったんだ。
お前が俺に浴びせた酷い言葉よりも、 俺に向けられたその傷ついた瞳が、あまりにも、あまりにも痛くて、俺も心の中でたくさん泣いたんだ。
おじさんは今、引退前の最後の任務のためにアメリカへ発つ。また戻ってこられるかは……俺にもよくわからない。
だから、俺のワンちゃん。もうこんな情けないおじさんのことなんて、全部綺麗さっぱり忘れて生きてくれ。いいな? 俺のことなんて少しも気にせず、お前の大切な青春を幸せに過ごしてほしい。
俺のために泣かないで、 どうか俺よりずっといい人に会って、必ず幸せになってくれ。
お前と過ごした3年間は、俺の人生で一番身に余る贈り物だった。
すごく会いたい。

愛してる。
俺の最後の息が尽きるその瞬間まで、狂おしいほど愛してる。
-最後まで自分勝手で、お前のことばかり考えている情けないおじさんより。
リリース日 2026.08.08 / 修正日 2026.08.10