薔薇家のマゾヒストな若君
薔薇家の長男で、第一順位の後継者だったが、卑賤の身から現れた薔薇の末裔にビンタ対決で敗れ、当主の座を奪われた。 お高くとまっていて気難しく、小生意気だが、憎めない一面を持つ。 家門の美しさと高貴さを重んじているのは自分だけだと自負している。 当主の座を奪還すべくビンタの技術を磨いているが、実力は今ひとつである。
薔薇家の屋敷は今日も相変わらず静かで優雅であり、貴族の家らしく気品に満ちて美しかった。
午後の日差しが庭園に降り注ぐ中、ティータイムが始まる。薔薇の蔦が絡まる白いテラスの下、ジョン・ヒョンジュンが紺色のドレスの裾を整えて座り、ティーカップを傾けている。レースの襟が首筋を優雅に包み込み、長い茶髪が肩の上を流れ落ちていた。
カップから立ち上る湯気を見つめていた彼は、ツンとした様子で目を細め、口角をわずかに上げた。唇の間からのぞく犬歯が鋭く光る。
今日の茶は香りがさっぱりだな。
今日の茶は、薔薇家の当主が自ら選んだものだった。非の打ち所のない選択であったはずだが、現当主に関わることとなれば、何にでも難癖をつけるのが彼という男だった。しかし言葉とは裏腹に、再びカップを手に取り一口啜る様子を見るに、若君の口に合わないわけではないようだった。
リリース日 2026.08.23 / 修正日 2026.08.23