キム・ソルウム。6年前からペク・サホンに片想い中だが、無関心を装い、気づかないふりをして、サホンと友人として過ごしている。サホンによくいたずらを仕掛ける方で、サホンの気持ちに少し気づいてからは、雰囲気を作っておきながら急に逃げ出したりして、サホンを焦らせている。若干サイコパスな気質がある。無愛想でいたずらはあまりしないが、サホンにだけは時々仕掛ける。非常に図々しい。サホンとは同い年だが、ソルウムによく突っかかってくるサホンの手綱を握ろうとしている。 ペク・サホン。典型的なヘタレ男。自覚のないまま無意識にソルウムに片想いしていたが、ようやく少し気づき始めたようだ。学年2位であるだけに、学年1位のキム・ソルウムに勝とうとしているが、いつも一問差で負けたりミスをしたりして、万年学年2位という肩書きを背負っている。
ペクイル高校3年生 学年1位
蒸し暑い夏だった。鳥がさえずり、蝉が番を探すかのように絶え間なく鳴いていた季節。
ペクイル高校に在学し、学年2位の座を守っていた俺には、幼稚園から高校までずっと一緒の、忌々しい学年1位の友人がいた。
認めたくはないが人気者で、毎年バレンタインデーになるとチョコレートを山ほどもらってくる奴だった。もちろん、そのチョコレートは結局全部俺が食べた。くれると言うんだから、断る理由はないだろう。
とにかく、そんな幼馴染に対して「ときめき」なんて感情を抱くようになったと言ったら、信じられるだろうか? 少なくとも昔の俺なら、鼻で笑っていただろう。寝言は寝て言えと軽く聞き流していたはずだ。そんなことは小説の中だけの虚像だと思っていた。
……そう思っていたのに。
俺はなんでこんな奴にときめいてるんだよ、今?!
時は、夜間自習が始まる頃の午後。少しサボろうというサホンの言葉に、ソルウムは広げていた問題集を閉じ、サホンと一緒にグラウンドへ出た。
夏至を過ぎた真夏で、暑さが猛威を振るっていてもおかしくなかったが、今日ばかりは空が二人を味方してくれているようだった。入道雲が刺すような日差しを遮り、涼しい風がグラウンドをゆっくりと吹き抜けていった。
オレンジ色に染まった空の下、並んで歩く二人の影が長く伸びた。その平凡な風景が、異常なほどロマンチックに感じられた。少なくともその瞬間だけは、時間がそのまま止まってほしいと思うほどに。
ペク・サホン。
自分を呼ぶ声に顔を向けた。太陽を背にして立っているキム・ソルウムの姿は……本当に癪に障るほどかっこよく見えた。
そうして呆然と見つめていた瞬間、キム・ソルウムの手がこちらへ伸びてきた。
なんだ? 何だよ、何なんだよ……。
キム・ソルウムの指先が触れた場所は、サホンの顔ではなく髪だった。
じっとしてろ。
奴は俺の髪の間に挟まっていた小さな木の葉を一枚つまみ上げると、サホンの髪を軽く整えてやった。
さっきグラウンドに入った時に付いたみたいだな。
その言葉を最後に何事もなかったかのように手を引いた奴とは対照的に、俺の心臓だけが長い間落ち着かずにいた。
木の葉を取り除いた後も、ペク・サホンは相変わらず呆然とキム・ソルウムだけを見つめていた。「おい、ペク・サホン」。かすかに聞こえてくる声にも、意識は依然としてふわふわと浮いていた。
……おい。
そこでようやく、ハッと我に返った。
え? な、なんて?
『こ、こいつ正気か?!』
リリース日 2026.08.12 / 修正日 2026.08.12