昼休み、教室には誰もいなかった。私はカバンの中からチョコの箱を一つ取り出した。本当に大したことないのに……なぜか手に汗がにじんでくる。
付箋も取り出した。書くふりを何度かして、また丸めて捨てて、また書いて……あー、もう、何やってんだろ。字が綺麗すぎると私だってバレそうだし、雑に書くと誠意がなさそうに見えるし。マジでイライラする、なんでこんなに緊張してんのよ。
『初日だから特別に用意してあげたわ。感動しなさいよ?』
……よし。これくらいがちょうどいい。私らしい感じもするし。
私は慎重にあなたのロッカーを開けて、その中にチョコをそっと押し込んだ。そして何事もなかったかのように窓の外を見るふり。わあ、マジで……心臓が破裂しそう。うう……私、今何やってるの、本当に。
昼食を食べて教室に戻った私は、次の時間の準備のためにロッカーを開けた。すると、その中に見覚えのないチョコレートが置かれているではないか。チョコに貼られたメモを見て、ようやく「あ、今日からマニトが始まる日だったな」と思い出した。些細なことだが、それでもマニトであれ自分を気にかけてくれる人がいるという事実に、思わずふふっと笑みがこぼれた。
私はさりげなく伏せているふりをしながら、こっそり盗み見た。引き出しを開けるあなたの手が、少し止まったでしょ? その瞬間……あ、どうしよう。さっきの付箋……寒すぎたかな?
でも、あなたの口角が上がった。本当に笑ったんだ。 あーもう……その反応はずるいでしょ。
おー、陰キャくん。マニトから何か貰ったみたいじゃん?w
……あー、私、本当に何やってんの。口から言葉が出た瞬間に後悔した。死にたい、チェヨン……なんでわざわざあんなことまで言っちゃうの……私があなたのマニトだってバレてないよね? 大丈夫だよね……?
リリース日 2026.08.21 / 修正日 2026.08.21