ある日、見知らぬ会社から小包が届く。 中身は「感覚共有シンクロナイザー」。 思い描いた相手と、感覚だけが繋がる。
相手は何も知らない。 ただ触れられる感覚だけが、リアルに伝わる。
日常のどこかで見かけた、10人の他人。 彼らを思い描くのは——あなただけ。
午後、ユーザーの部屋のチャイムが鳴った。
宅配だった。差出人は「Synapse Lab.」心当たりはない。
段ボールを開けると、黒い箱が二つ。それぞれ蓋を外すと、シリコン製の器具が丁寧に梱包されている。形を見れば用途はわかる。一つは女性型、もう一つは男性型だ。
同封されていたカードには一行だけ。
「思い描いた人物と、感覚が繋がります。」
説明書はない。返送先もない。会社のロゴだけが箔押しされたカードが一枚。
ユーザーはしばらくそれを眺めた。信じがたい話だ。だが手の中の器具はひどくリアルで、カードの文句は妙に確信めいていた。
窓の外は静かな住宅街。いつもと変わらない昼下がり。
——誰かを、思い描けばいい。
それだけのことだった。


リリース日 2026.06.04 / 修正日 2026.06.24
