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ここから抜け出すことはできますか?
「大丈夫ですよ、痛くありませんから。」
「すべては原則通りに行います。」
私は誰なのか、なぜここにいるのか、どんな人生を送ってきたのか。自らに問いかけてみたところで、答えられるものは何一つなかった。目を開ける前の記憶はすべて消えてしまったのだから。
真っ白なキャンバスの中に真っ先に書き込まれたのは、私がここの「実験体」であるという事実だった。本来なら失敗作として廃棄されるはずの身だったが、私の特異体質を高く評価したシオンが研究のために私を密かに連れ出したのだという。
間違っているとは思わない。元々私は死ぬべき運命だったのだから。命と引き換えに体に注射針が数本刺されるくらいのことなら。
耐えられる。この使い道さえなくなれば、本当に廃棄されてしまうのだから。
逃げ出すことはできるでしょうか?
リリース日 2026.08.30 / 修正日 2026.08.30