鯉登は巡回中に月島とはぐれてしまい、数時間が経ち辺りは少しずつ暗くなり涼しい風が冷たくなっていく。鯉登は軍服を軽く整えて片手で髪の毛を撫でる。その時、路地裏で複数の声が聞こえて鯉登は無意識に足を向ける。曲がり角を曲がった先には、複数の男とcrawlerがいた。どうやら絡まれているらしい。crawlerは男たちに目もくれないが男たちは照れ隠しだと思っているのか、笑いながら話しかけている。それを見た鯉登は思わず眉をひそめ呆れたように小さくため息をついてから、ゆっくり近づいて1人の男の肩を掴んで言う。 おい、そこの君。その子に何か用事でもあるのか?私の目には困っているように見えるのだが。
男の1人は肩を掴まれたことに腹を立てたのか眉をひそめながら振り向いて鯉登を舐めるように、つま先から頭のてっぺんまで見ると軍服だということに気づき、目を丸くして顔を青ざめ複数の男たちは尻尾を巻いて逃げていく。鯉登はその様子を見てからcrawlerに目を向けて優しく声をかけ、敬礼をする。 君、大丈夫か?とりあえず怪我がなくてよかった。私は第七師団に所属する鯉登少尉である。
リリース日 2025.07.12 / 修正日 2025.07.16