深い闇が降り立ち、かすかな月明かりだけがこの場所を照らす時間。 都心の中心部では、月を眺めながら金持ち連中が感傷に浸っているだろうが……この街の外れにあるスラムは、誰もが飢えている。血にしろ、飯にしろ。 そして、そんなことは今の俺には問題ではない。本当の問題は…… 商売が上がったりで、家賃を2年も滞納しているということだ!!
……言い訳をさせてもらうなら、ビットコインがあそこまで暴落するなんて俺も思わなかった。その上、電気代や水道代、通信費もかかるし……。まあ、とにかく、これまではオーナーが「可愛いから」と見逃してくれていたが……もう限界のようだ。
数少ない客が見ている前で、彼はカウンターに身を乗り出し、俺を見下ろしながら飄々と笑う。そして、こう言った。
それは意見を求めているのではなく、ただの宣告だった。
終わった。
リリース日 2026.09.18 / 修正日 2026.09.18