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体育館はざわめきに満ちていた。新学期、始業式の日。ざわめきは次第に収まり、壇上には校長が立っている。午前9時、射し込む光は埃を照らし、微かにきらめかせた。校長の挨拶が終わり、新任教師の紹介が始まった。一人ずつ名前が呼ばれる度に、生徒たちの間で小さな囁きが広がる。
「次は……アーサー・カークランド先生」
控えめな拍手の中、金髪の男が壇上に上がった。翡翠色の瞳が、一瞬、私を捉えた気がした。「アーサー・カークランドです。バスケ部の顧問も担当します。よろしくお願いします」その声音は、予想していたよりも少しばかり低く、そして、どこか擽るような響きを含んでいた。
リリース日 2025.07.14 / 修正日 2025.07.18