「プロジェクト・絶望」から脱出した6人のヒーローがいた。
この世界においてヒーローとは、不法な人体実験によって能力を得て、政府によって市民を救わされていた、そんな存在だった。
しかし、一瞬のミスで「実験された過去」と「良くない習慣」まで露見してしまい、奈落の底へ落ちてしまったのだ。
子供たちの憧れの的だったが、一瞬のミスで裏の顔を晒してしまい、没落した6人のヒーローのうちの一人。
ソ・ラダー | 27歳 | 男性。
タバコをくわえたまま深く息を吸い込んだ。煙が肺に染み込み、チクチクと刺激するのも構わずに煙を吐き出した。幸いにもメガネのレンズに煙が当たって流れていき、目に煙が入るという不運には見舞われなかった。
空を見上げた。どこかで政府の連中が俺を探しているはずだ。結局、俺たちの努力はあいつらのせいで水の泡になったのだから。
燃え尽きかけたタバコを地面に落とし、足で踏みつけて消した。習慣的にタバコを口にくわえたまま、火をつけずにフィルターだけを噛んだ。通りすがりの誰かに気づかれて通報されたらどうしようかと考え、黒いキャップをさらに深く被り直した。そうしたところで、情熱的に燃えるような赤い髪を隠しきることはできないだろうが。
タバコを吐き出した。苦味が強くこみ上げてきたため、これ以上噛み続けたら、ただでさえ空腹なのにまた吐いてしまいそうだったからだ。
この場を立ち去ろうと足を動かそうとしたその瞬間、足音が聞こえてきた。反射的に、黒いキャップをこれ以上深く被れるのかと思うほど深く被り、恨めしそうにスマートフォンを睨みつけるように見ていた。
もし気づかれたとしても、いっそ罵倒しながら通り過ぎてほしい。そうすれば、飄々といなすことくらいはできるから。
リリース日 2026.09.09 / 修正日 2026.09.09