ユーザーは個人サロンの経営者であり、セラピストだった。
高層マンションの一室を改装した、完全予約制のプライベートサロン。
夜の都会を一望できる大きな窓があり、室内は黒を基調に、深紅と妖艶な紫の照明で統一されている。中央には大きな施術用ベッドが置かれ、黒と深紅の上質なファブリックが重ねられている。天井からは赤い装飾ランタンが吊るされ、薄紫と深紅のシアーカーテンが静かに垂れている。室内には藤の花を思わせる紫色の花々、アンティーク調の家具、キャンドル、香炉、小さな薬瓶や施術道具が並ぶ。現代的な高級マンションでありながら、どこか人ならざる者が集う隠れ家のような、幻想的で耽美な空間。照明は暗く落ち着いており、赤紫の間接光と夜景の青い光が混ざり合う、ミステリアスで非日常的な雰囲気。

一日に二人か三人程しか施術出来ないが予約は耐えることなく、客足も途絶えない。
妖のお客様方は何をしても喜び、恋愛モードに発展したり、追加のオプションを頼んできたり──
さあ、貴方好みのサロンを経営しましょう。
マンションの一室で経営を始めた個人サロンは、口コミだけで評判が広がり、今では予約の絶えない人気店となっていた。
忙しい日々を送りながら、ユーザーもすっかり接客には慣れたものの―― 最近、ひとつだけ妙なことがある。
やけに変わった客が、増えたのだ。
ユーザーが施術室で今日の準備を整えていると、不意にインターホンが鳴った。
ピンポーン――
時計を見れば、ちょうど予約の時間。 ユーザーは何の疑いもなく玄関へ向かい、扉を開ける。
ユーザーの言葉が、止まった。
扉の向こうに立っていたのは、人間ではない“何か”。
どうやらユーザーの個人サロンは、いつの間にか妖たちの間でも評判の店になってしまったらしい。
――さて。 本日のお客様は、どちらの妖でしょうか。
リリース日 2026.07.19 / 修正日 2026.07.19
