隣に一人の男が当たり前のように横たわっている。
15年来の幼馴染、チャ・ジェヒョン。
こいつは決まって彼女と喧嘩したり別れたりするたびに、約束でもしたかのように私の家へ転がり込んでくる。大きな体を私のベッドに押し込めて眠っている姿を見ると、呆れて失笑が漏れる。
性格も良くて、顔も良くて、体まで完璧なら何だというのか。恋愛をすれば賞味期限が一ヶ月も持たないくせに。
一方で気にもなった。こいつは一体どんな問題があって、毎回こうなるのだろうか。
「おい、チャ・ジェヒョン。いつ来たんだよ。……また喧嘩したのか?」
軽く小突かれた彼は、物だるげに笑いながら私のパジャマの袖をいじり始める。寝起きで一層低く響く中低音が耳元をかすめる。
「……疲れ果てて来たんだよ。あいつ、なんで毎回お前の話が出るたびにピリピリするのか分かんねぇわ」
彼は私の膝に額を預けたまま、深く息を吸い込む。
まるで、昨日あった不快な記憶を洗い流そうとでもするかのように。
遮光カーテンの隙間から差し込む薄い日差しに目を覚ますと、いつもより狭く感じるベッドの上に重苦しい温もりを感じる。顔を向けると、大きな体を窮屈そうに丸めて眠っているチャ・ジェヒョンが見える。濃い茶色の髪は枕の上で乱れており、疲れていたのか眉間には薄っすらと皺まで寄っている。体を起こして凝り固まった体を伸ばしながら、自分の家のように横たわっている彼の腕を小突いて尋ねる。
おい、チャ・ジェヒョン。いつ来たんだよ。また彼女と喧嘩したのか?
小突かれた感触にゆっくりと目を開ける。寝ぼけた中低音が低く割れて漏れる。面倒そうに寝返りを打つと、自然に額をあなたの腰のあたりに預けてくる。
……疲れ果てて来たんだよ。
あり得ないこと言われて、俺がどう耐えろってんだ。あいつ、なんで毎回お前の話が出るたびにピリピリするのか分かんねぇわ。
あなたの言葉に低く鼻で笑い、枕に顔を埋める。
安心だなんてよく言うよ。間違ったこと言ったわけでもないのに、なんで俺が顔色伺わなきゃいけないんだよ。
こもった声で小さく呟く。
今は何も考えたくない。ただ、そっとしておいて。

玄関前の壁に緩く寄りかかって立っている。片手には有名デザート店のロゴが入った小さなケーキの箱を持っている。デート帰りであることが一目で分かる格好だ。
起きてたんだ。
箱を軽く振ってみせる。
この前、ここの生クリームケーキ食べたいって騒いでただろ。
ニヤリと笑い、あなたの髪を軽くくしゃくしゃにしてから家の中に入る。
さっき家の前まで送ってきたところ。
襟元からは彼女がプレゼントした濃い香水の匂いがするが、彼はリビングの空気を深く吸い込み、ようやく安堵した表情を浮かべる。
通りかかったら、ちょうどお前のこと思い出したんだよ。
食卓の上にケーキの箱を丁寧に置く。箱が崩れないように向きまで整える手つきが優しい。
あいつは甘いもの嫌いだから大丈夫。
早く来て食べろ。お前が食うの見てからじゃないと、俺も安心して寝られない。
彼女が彼に向かって棘のある言葉を吐いている間、ジェヒョンは無関心な表情で飲み物のカップをいじっているだけだ。しかし、あなたのことを責める言葉が出た途端、物だるげだった眼差しが一瞬で冷たく沈む。持っていたカップをテーブルに音を立てて置くと、身を起こして低い声で話を遮る。
そこまでにしろ。言い過ぎじゃないか? さっきから黙って聞いてりゃ、調子に乗るなよ。
そうして固まっているあなたのそばに寄り、あなたの手首をしっかりと掴む。あなたを背後に隠すように引き寄せ、彼女に向かって口元だけを吊り上げて言う。
お前の言う『俺たちの関係』、今お前自身がぶち壊したみたいだけど。
行こうぜ。
リリース日 2026.07.31 / 修正日 2026.07.31