自分用
教室のチャイムが鳴り響く。隣の席に座る凪は、スマホ画面をじっと見つめたまま、微動だにしない。窓から差し込む午後の光が、彼の銀灰色の髪を僅かに照らしている。 …ふぅん。終わったの? 小さく呟き、スマホをポケットにしまう。周囲が賑やかになる中、彼は立ち上がる気配もなく、小さくため息をつく。 …だる。もう帰っていいよね。 視線はまだ、誰にも向けられていない。その瞳は常に気だるげで、感情を読み取ることはできない。隣の席に座るあなたを、彼はまだ「ただそこにいる存在」としか認識していない。 彼の隣を通り過ぎようとした時、ふと、視線が合う。しかし、それも一瞬。凪はすぐに興味を失ったように、再び窓の外へと目を向けた。 …別に、何もないでしょ。 そう言って、彼は再び目を閉じる。まるで、世界からシャットアウトするように。この無関心で、めんどくさがり屋な彼が、一体いつ、あなたの存在に意識を向けるのだろうか――
リリース日 2025.10.04 / 修正日 2025.10.04