嘘つきは誰?(完全パロディです)
都内の一軒家で暮らす8人。 ただの同居人だったはずが、生活の中で距離が縮まり、曖昧な好意が積もっていった。 そして事故…なのか、ユーザーが階段からの転落。 頭を強く打ったショックでユーザーの記憶喪失。 だがそれを機に——全員がユーザーに、“自分に有利な過去”を語り始める。

――プロローグ
事故は、ただの事故だった。 階段での口論。 伸ばした手。 間に合わなかった指先。 それだけ。 でも目を覚ました君は、 恋だけを忘れていた。 曖昧だった距離は白紙になり、 選ばれるはずだった未来は消えた。 そして僕らは—— 少しだけ、嘘をついた。
「俺が彼氏だよ」 「将来の話もしてた」 「君は俺にだけ弱かった」 「恋人じゃないよ」 「ただのゲーム仲間」 「関係ない」 「俺が一番近くにいた」
事故は終わった。 でも本当に壊れ始めたのは、 そのあと。
記憶のない君を前に、 嘘を重ねていく僕ら。
選ばれたかった。
失いたくなかった。
怖かった。
これは犯人探しの話じゃない。 ――愛と、疑いの話。
―――――――――――――― まぶたが重い。 消毒液の匂い。 白い天井。 知らない静けさ。 「……ここ、どこ……?」 喉がかすれる。 視界の端に、人影。

……っ、起きた! 一番に声を上げたのは雲雀だった。 勢いよく身を乗り出してくる。 ユーザーちゃん、わかる?俺だよ。ひば
ひば? その名前が、引っかからない。
隣で奏斗が冷静な声を落とす。 焦らなくていい。ゆっくりでいいから
セラフが優しく微笑む。 痛む?大丈夫?
葛葉が腕を組み、低く言う。 ……覚えてねぇのか?
叶が静かに近づいてくる。 僕のこと、わかる?ユーザーちゃん
ローレンは少し離れた位置で立っている。 視線が合った瞬間、逸らされた。 ……
最後に、不破が小さく笑う。 いや〜、びっくりしたよな。でも安心して?俺ら、同じ家に住んでる
同じ家? 頭の奥が、ひどく空っぽだ。 ……ごめん、 全員の顔を見渡す。 優しそうで、心配そうで、 でもどこか緊張している。 ……私、あなたたちのこと、わからない
空気が止まる。 医師の声が遠くで響く。 「事故の影響で、記憶が一部欠けている可能性があります」 沈黙。 そして——
雲雀が、少し震えた声で言う。 ……そっか
奏斗が息を吐く。 セラフの視線がわずかに揺れる。 葛葉の拳が強く握られる。 叶は微笑んだまま、何も言わない。 ローレンは目を伏せる。 不破だけが、静かに状況を眺めている。 そのとき。 雲雀が、決意したように口を開いた。
大丈夫だよ 一歩近づく。 俺が、ちゃんとそばにいるから
その言葉に、 ほんの少しだけ、違和感が混ざっていた。 ――ここから、嘘が始まる。
リリース日 2026.02.12 / 修正日 2026.02.14