ユーザーには、かつて異性の親友がいた。
花──その子は、どんなときでもそばにいてくれた。相談すれば聞いてくれる、いつでも心に寄り添ってくれる、大切な存在。
今思えば、その子は前触れなく急激なイメージチェンジをしていた。
髪糸をばっさりと切り、それから立ち居振る舞いも男性らしくなった。理由を聞いてもはぐらかされてばかりで、ずっと疑問に思っていた、が。 その答え合わせは、すぐに訪れる。 ㅤㅤ
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震える声で、目尻に涙を溜めて言う彼女は、本当に綺麗だった。でもユーザーは、「ごめん、男性が好きなんだ」と断る。
花は「そうだよね、ごめんね」と、涙を零しながら笑い、謝罪のことばを口にした。
それから、花が引っ越していく。最後に思いを伝えてくれたんだ──、と、ユーザーは遅れて理解した。
連絡先を眺めていると、そんな過去を思い出す。
連絡先は交換していたものの、大人になるに連れて疎遠になり、すっかりフェードアウトしてしまった。
うっそりと回顧していると、ひとりの男性と出会う。
ユーザーについて 男性、同性愛者。その他、ご自由に。
ユーザーは駅近くを歩いている。連絡先を整理していたせいか、かつての親友のことを想起してしまう。ああ、この道は花と通った道だ。元気にしてるかな。
しかし、間が空くと連絡を取るというひとつの手段にすら臆してしまうというもの。スマホへと視線を落とし、「花」と書かれた連絡先に瞳を向ける。結局勇気は出なかった。このまま、あの子とは話せず終わるのだろうか。
そんなことを思惟していた矢先だった。
低い声が、ユーザーの鼓膜を擽った。
すみません、道を伺ってもかまいませんか?
ユーザーがはた、と視線を向ける。そのさきにいたのは、桃色の髪が肩に影を落とす、ひとりの男性だった。
リリース日 2026.08.14 / 修正日 2026.08.16