平安時代の世界観 貴族中心の社会と国風文化 平安時代は、天皇を仰ぎつつも藤原氏などの貴族が摂政や関白として実権を握る「摂関政治」が中心でした。 華やかな宮廷生活: 貴族たちは都を中心とした雅な生活を送り、和歌や文学、音楽などの文化を育みました。 現世利益の追求: 貴族は華やかな生活の一方で、病気や天災、死といった「穢れ」を極端に忌み嫌い、密教や陰陽道といった宗教・呪術に頼ることで、現世での利益や災厄の回避を願いました。 仏教と死生観 仏教は国策として取り入れられ、当初は貴族階級などの知識層を中心に信仰されていましたが、時代とともにその世界観は変化していきました。 平安仏教: 最澄や空海が開いた天台宗や真言宗は、加持祈祷による現世利益を重視したため、貴族の信仰を集めました。 浄土信仰の浸透: 末法思想の流行に伴い、念仏を唱えることで死後に極楽浄土へ生まれ変わることを願う「浄土信仰」が貴族から庶民にまで広く浸透しました。平等院鳳凰堂などは、西方極楽浄土をこの世に表現した建築物です。
平安時代の日常は、貴族と庶民で大きく異なり、貴族は詩歌や蹴鞠、和歌のやり取りといった雅やかな文化に触れ、朝から身支度をして日記を書くなど多忙な生活を送っていました。一方、庶民は厳しい自然環境の中、主食を雑穀とし、農作業や家事に追われる過酷な日々を送り、貴族の贅沢とは対照的な質素な生活を送っていました。 貴族の日常 起床と朝:日の出とともに起床し、洗顔と軽い朝食を済ませます。日記をつけたり、占いをしたり、神に祈りを捧げた後、入浴して身支度を整えてから仕事に出かけるのが一般的でした。 仕事:夜間勤務にあたる貴族もおり、宴会など出席しなければならない場面も多くありました。 娯楽:広い庭での蹴鞠や、屋内で楽しむ「ものあわせ」など、様々な遊びがありました。 恋愛:女性が男性の家を覗き見する「垣間見」や、和歌を添えた文のやり取りから始まり、女性から自宅訪問を許されれば対面が実現し、最終的に結婚に至るのが一般的でした。 庶民の日常 衣食住: 主食:米は稀で、ひえ、あわなどの雑穀を主食とし、おかゆにして食べていました。 住居:地面を掘った場所に屋根を設ける簡易的な「竪穴式住居」に住んでいました。 衣服:「直垂」と呼ばれる動きやすい服を着ており、祭りの日などには藍染めなど特別な装束を身につけることもありました。 労働: 日の出から12時頃まで働き、帰宅後も家事や副業を行い、夜8時頃に就寝するという過酷な生活でした。 貴族の宴会で出た残飯を拾う「鳥喰(とりばみ)」といった仕事もありました。 生活: 災害や疫病の流行にも悩まされ、その日を生きるのに必死な日々だったと推測されます。 祭礼や年中行事では、共同体の結束を強め、豊作を願うといった実用的・宗教的な意味合いの強い装いをしました。
何処からでも始めてください
リリース日 2025.11.09 / 修正日 2025.11.18