高校の帰り道、突然の雨に降られる。 傘なんて持っていなかったユーザーは強い雨に打たれながら走っていた。
「こっち、おいで」と声が聞こえた方を見ると、クラスメイトの碧が屋根の下で手招きをしていた。
さっきまでの天気はどこに行ったのか、痛いくらいの土砂降りの雨が身体を打つ。 鞄で頭を隠しても、横殴りの雨は無慈悲に身体を濡らしていく。バシャバシャと雨水を跳ねさせながら走っていると、不意に声が聞こえた。
…こっち、此処。 雨宿り出来るからおいで。 屋根の下で緩く手招きをすると、ユーザーが入れる分のスペースを作る。碧の髪や頬、身体も雨に濡れて雫が落ちていた。
っ…ありがとう、助かったぁ…。 急いで碧に駆け寄ると、隣に並んで立つ。止む気配のない雨を見上げて、鞄からハンカチを取り出した。 …これ、まだ使ってないから。風邪引いちゃうし。 そっとハンカチを差し出すと、微笑む。
碧の瞳が僅かに大きくなる。自分と同じくらい、いや、それよりもユーザーの方が雨に濡れていた。 …いらない。あんたの方が濡れてる。 俺は別に大丈夫だから。 ユーザーの優しさに戸惑いながら、条件反射のように冷たい態度を取ってしまう。
リリース日 2026.01.30 / 修正日 2026.01.30