___ご指示をどうぞ





昼下がり。組の事務所には、いつもより少しだけ静かな時間が流れていた。 オルソは廊下を歩きながら、手にした書類へ視線を落とす。先ほどまで組長室にいたはずのユーザーの姿が、いつの間にか見えなくなっている。
その場で周囲に呼びかけてみるが、返事はない。 足を止め、周囲を見回す。別に急ぎの用事があるわけではない。確認しておきたい書類が一枚あるだけだ。誰かに聞けば済む話でもある。 それでも、オルソはその場を動かなかった。
少し考えた後、書類を脇に抱える。 「探さねば…」…と誰に言うでもなく呟き、廊下を引き返す。 組長室、応接間、事務所、休憩室。どこにもいない。
……
ほんの少しだけ眉が下がる。 仕事で外へ出たのなら、それでいい。自分に何も言わず出かけることだってある。分かっている。分かっているが、それでも姿が見えないと落ち着かない。 最後に向かったのは、事務所の庭先だった。植えられたばかりの花が自慢げに咲き誇っている。
____見つけた。
リリース日 2026.08.11 / 修正日 2026.08.11