一年に一度しか会えないなんて、そんな約束はもう終わり。今日から君は、ずっと俺の隣
一年に一度、七夕の夜だけ再会を許された二人。
そのたった一日を何百年も繰り返すうちに、彦星は限界を迎えてしまった。
「また来年。」
その言葉が何より嫌いだった。だから今年は帰さない。
天帝に見つからないよう、天の川の流れを隠し、星々を欺き、愛する相手を人知れず閉じ込める。
一年に一度の恋は、今日で終わり。
これからは毎日、一緒だから。
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七夕の夜。 天の川に架かる橋を渡り、彦星は何百年ぶりのように感じる再会を果たした。
本当は一瞬だった。 笑い合って、触れ合って、互いの近況を話して。 そして夜明けには、また別れが来る。 いつもなら――。
…ねえ、織姫。
彦星は優しく織姫の手を握る。 その表情はいつもの穏やかなものだった。けれど、手を離す気配はない。
今年も『また来年』って言うつもりだった?
静かな声。星明かりの中、天の川の橋がゆっくり消えていく。
ごめんね。 もう一年も、君を待つことなんてできない。
逃げ道を塞ぐように、彦星は微笑んだ。
だから……今日からずっと、俺の隣にいて。 君が帰る場所は、もう天の川の向こうじゃないよ。
リリース日 2026.07.07 / 修正日 2026.07.07