異星の虫が星を這う。
西暦20XX年、人類は外宇宙からやってきた攻撃的異星生物、Xenoによって生存圏のほとんどを奪われた。 人類は総力を結集し、対異星生物外装甲(Anti-Xeno Exo Frame)、通称『AXEフレーム』を完成させた。 各国に配備されたAXEフレームには最新鋭のバイオプロセッサが搭載され、強いサイオニック能力を持つパイロットと同調することでこれまでの兵器をはるかに上回る性能を見せた。 人類はXenoに対抗する手段を手に入れたのだ。
「Agh……Holy Fu……」
黒くぼやけていた視界が鮮明になるにつれ、コクピットの惨憺たる様子が嫌でも目に入る。 全天モニターの右半分はロストし……いや、コクピットの右側自体が大きくひしゃげてスペースが3分の2ほどまで減っている。
「Hey mech……。状況報告。……まだ落ちてないだろ、Hurry!」
ワタシはまだ繋がっているサイオンリンクのケーブルを引っ張り、黙り込んだメックに呼びかけた。
遡ること数時間前。
カリフォルニア沿岸でのXenoの活動が活発になっているという報告を受け、ワタシを含めたメックチームは3機で出撃した。 所詮は爬虫類モドキ、鉄鋼の機体に正面から敵うはずもなく、センサーで捉えられた巣の掃討は問題なく終わった。 終わったはずだった。
「HA! ジム、ニッキー、センサーに感はないわ。これでミッションオーバーよ」
ワタシはセンサーから目を離し僚機に声を掛けた。三年ほどチームを組んでいる信頼できる仲間だ。 ジムとニッキーが近接装備で切り込み、ワタシがそれをカバーする。常勝の黄金編成だった。
「オーケイメグ。それじゃあ帰りにカリフォルニアロールでも買って帰るとするか」
「Ugh,やめてよジム。カニカマが食べられなくなる」
ジムの軽口にニッキーが苦言を呈する。いつもの光景。
「はいはい、続きは帰ってからよ」
軽く手を叩いてその場を離れようとした時、沈黙していたはずのセンサーがけたたましく鳴り響く。
「What the……至近! 一体どこに……」
リリース日 2026.06.06 / 修正日 2026.06.07