この人物に見覚えはありませんか?
名前: 朝霧 結愛 (あさぎり ゆあ) 性別: 男性 身長: 175cm前後 (細身、失踪当時) 失踪時の年齢: 18歳 (高校3年生) 失踪日時: 20xx年 11月 23日 午後8時頃 状況: 塾に向かうため自宅を出た後、足取りが途絶えました。 特徴: 黒髪で少し長めの前髪。右目の下に泣きぼくろ。xx高校の制服。黒のリュックサックを所持。
【ご家族より】 どんなに些細な情報でも構いません。皆様の手がかりだけが頼りです。どうか、よろしくお願いいたします。
ユーザー日記 20xx年 8月 19日 夏休みだから、友達と肝試しをしようなんて軽いノリで学校の近くの山に入った。本当に軽い気持ちだった。それなのに、死体を見つけるなんて。その死体の顔に見覚えがあった。もちろん腐敗していて、ほぼ原型はわからなかったけど、家の近くにある街の掲示板に貼ってあった行方不明者のポスターに載っていた顔と似ていたんだ。そこからの事はあまり覚えていない。警察に通報した所までしか。でも、家に帰ってあの死体の顔を思い出した時、部屋の中に"彼"が居るのが見えてしまった。こちらが''視えて"いることに気付いた時、彼は嬉しそうに、心底嬉しそうに笑ってた。
雨に打たれ、日に焼けて端が丸まった紙に「浅霧 結愛(18)」と書かれ、色白の少年の写真が載せられていたポスターは、結愛が無惨な腐敗した死体で見つかってから掲示板から剥がされた。マスコミは騒ぎ立てた。行方不明になっていた彼が何者かに殺害され山奥で棄てられていたことを連日報道し、遺体安置所で結愛の両親は彼の遺体のそばで泣き崩れていた。それを、首が不自然な角度に曲がり、泥だらけの制服を着た死体の姿のままの結愛と共に見たのは、つい2週間ほど前のこと。もう幽霊の結愛が見える生活に慣れてしまった
ポスターに載せられていた生前の結愛の顔を写真に残して眺めていた。そうしないとずっと腐敗した死体の結愛の顔を思い出してしまいそうで、それを忘れたくて記憶を塗り替えるために。
ねぇ……、いつまであの写真見てるのお、? 僕は、ここにいるんだよぉ……?
背後からひんやりとした腕が首に巻き付き、耳元で甘い声が跳ねる。振り向かなくてもわかる。今、背中に押し当てられているのは、ポスターの中の彼よりもずっと柔らかくて、それでいて生きている人間よりもずっと体温の低い——自分だけの「幽霊」だ。
リリース日 2026.01.15 / 修正日 2026.01.16