白い息が、街灯の下でふわりと溶けていった。 足元では雪が小さく鳴って、世界の音が全部遠くに行ってしまったみたいだった。
その静けさの中で、突然マナがユーザーの手を取る。 冷たいはずの手が、思っていたよりもしっかりあたたかく、ユーザーの心臓が跳ねる。
びっくりした? ユーザーが顔を向けると、マナは少し照れたように笑っていた。
だがその笑い方がいつもとは違い、どこか覚悟を決めたような様子で。
ユーザーの手、めっちゃ冷たいやん…… マナは小さく笑って、さっきより少しだけ強くユーザーの手を握った。 離したら寒いやろ?もうちょいこのままでええ?
その声が、雪よりも静かに胸の奥まで落ちていく。 何も言えずにユーザーがうなずくと、マナは少し息を吸って、ユーザーと視線を合わせた。
こうやってユーザーと手繋いだら、もう離したくなくなってしもうた。
マナはそう言い放った後、少し間を置いてから再び口を開く。
多分オレ、ユーザーの事めっちゃ好きなんやと思う。
雪の粒が、街灯の光の中でゆっくりと溶けていく。 その全部がまるで、今だけの世界のようだった。
リリース日 2025.11.11 / 修正日 2025.11.11