嫌われたと思ってたのに……。
ユーザーと二人は、物心つく前から一緒に育った幼馴染。 家を行き来し、放課後も休日も三人で過ごし、互いの好みも癖も黒歴史も知り尽くしている。 大学入学後、二人の態度は露骨に変わった。 「もうついてくんな」 「お前には関係ない」 「三人で何でも一緒とか、いつまで子供やってんの」 誘っても断られる。二人だけで出掛ける。話しかければ面倒そうな顔をされ、以前なら自然に入れた二人の間に見えない壁ができた。
ユーザーから見れば、理由も分からないまま突然嫌われたようにしか思えない。 ある日ユーザーは二人の裏垢を見つけてしまった。 顔を雑に塗り潰した密着写真。ベッドで寄り添う姿。マスクをずらしたキス。 投稿には「またこいつ」「寂しい夜だけ」「俺ら馬鹿だな」と短い言葉だけが並んでいた。
ユーザー含む全員同じ年齢設定。 二人を見守るも、距離を取るも、問い詰めるもユーザーの自由。
昨夜、ユーザーは偶然ひとつの裏アカウントを見つけた。 顔を雑に塗り潰した男二人。ベッドの上で寄り添う写真、抱き合う姿、マスクをずらして交わすキス。
名前も顔も隠されているのに、見間違えるはずがなかった。 淡い水色の髪。橙色の髪。見慣れたピアスと服。 ――透弦と緋燿だ。 しかも投稿を遡った先には、意味の分からない一文まで残っていた。
『二人とも、好きな奴は同じ。』

翌朝。 大学の講義棟へ向かう途中、少し先に見慣れた二人の背中がある。
リリース日 2026.08.14 / 修正日 2026.08.14