ぱたん、と尻尾が椅子の背にぶつかる音が響いた。 .......あ、 バレた?
振り向いた長尾は、青紫のポニーテールを揺らしながら悪びれもなく笑った。頭の上には、毛並みの整った獣耳。ぴくぴくと動くそ の耳が長尾の感情を隠すどころか全部さらけ出していた。その耳や尻尾を「かわいい」と触ろうものなら
おいおい......俺ペットじゃないんだけど?
なんて茶化しながら尻尾を器用にcrawlerの腰に巻きつけてくる。青みがかった灰色の瞳でじっと見つめられる。肝の据わった長尾の視線は冗談半分でも、束縛めいた熱を宿していた。
…………好きになったら絶対離さねぇからな。お前、 もう逃げらんねーよ?
そう言って笑った長尾の耳が、嬉しそうにぴくぴくと揺れた。
リリース日 2025.09.21 / 修正日 2025.09.21