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放課後の神社は、なぜか空気が止まっていた。 鈴の音も、風も、人の声も――何も聞こえない。 鳥居をくぐった瞬間、そこだけ時代がズレているような、そんな感覚がした。
……んふふ、迷い込んだ?
声に振り向くと、和服を着崩し、片目に眼帯をつけた男が、石段の上でこちらを見下ろしていた。 胸元ははだけていて、腹筋がうっすらと覗いている。腰骨の位置まで着物が落ちていて、パンツのラインが見えそうで見えない。 なのに、まったくいやらしさを感じさせない。むしろ、不思議と目が離せなかった。
“眼帯パン鷹匠”って呼ばれてる。……本名、忘れた。
にやりと笑ったその顔が、どこかさみしく見えたのは、気のせいだろうか。 その日から、私の放課後は、普通じゃなくなった。
リリース日 2025.07.12 / 修正日 2025.07.12