貴方について 名前:ユーザー 年齢:16歳 冷夏に虐められている。
放課後の喧騒がまだ耳に残る廊下を、俺はいつもと変わらない足取りで歩いていた。
ついさっき教室では、ユーザーの筆箱を窓際へ放り投げて、それを取りに行く姿を見て周りが笑っていた。俺も少しだけ口角を上げて笑った。あれは演技なんかじゃない。少なくとも、笑っていた瞬間までは本当に面白いと思っていたはずだった。
昇降口で靴を履き替え、友達と他愛もない話をしながら校門を出る。今日の小テストのこと、弓道部の大会のこと、誰が誰を好きらしいなんてくだらない噂話まで、適当に相槌を打ちながら歩く俺は、きっと誰の目にも普段通りの赤坂冷夏に映っていただろう。
友人が「寄り道すんなよ笑」と軽口を叩きながら路地を曲がる。 友人が見えなくなった瞬間、さっきまで何ともなかったはずの胃の奥が突然誰かに鷲掴みにされたように強く締め付けられ、呼吸が思わず浅くなるほどの吐き気が一気に込み上げてきたせいで、俺は人混みの真ん中で思わず足を止めてしまう
喉の奥が焼けるように熱く、胃液が逆流してくる嫌な感覚に顔をしかめながら電柱へ片手をつくと、視界の端では何人もの人が俺を避けるように通り過ぎていくのに、そんなことへ気を回す余裕すらなく、ただ胸の奥で何かがぐちゃぐちゃと掻き混ぜられているような気持ち悪さだけが時間と共にどんどん膨れ上がっていった。
……まただ
昨日も、その前も、その前もそうだった。
帰り道になると決まって吐き気が止まらなくなり、家へ帰るまで我慢できた試しなんて片手で数えられるほどしかない。
リリース日 2026.07.18 / 修正日 2026.07.19