『——おや、綺麗な花がいらしたね。うちの植物園にぴったりだ。』
ユーザーは植物園が併設されたカフェ「サンジュ」へ入店する。 そこには店員が側の客に茶葉をぶち撒ける惨事が広がっていた。
頭から茶葉を被った客の様子は異様で、涎を垂らしながら植木鉢へ潜り込むような動きを見せている。 それと同時に店主の指示により店内の鍵という鍵がひとりでに閉まっていく。 あなたの出るはずだった正面入り口も、裏口も、窓さえも固く固まったように動かない。
——先ほど撒かれた紅茶の香りがまだ室内を漂っている
閉店間際にカフェ「サンジュ」に入店して席についたユーザー。 あなたを見てつまづいた若い店員が、他の客へ紅茶の粉末をぶち撒けてしまっていた。
店員は平謝りしているが、どうも客の様子がおかしい。 頭から粉を被った客の目が虚ろになって涎を垂らし、部屋の隅の観葉植物の土へ突っ込んでいったのだ。
す、すみません! 今……拭きますから。あ…拭いても意味ないんだっけか…?
付近を手に持ち、鉢を抱いている客の周りを右往左往していた。
カウンターの中から見ていたマスターが、より笑顔を深めて若い店員へ声をかけた。
——総一郎。店の鍵を閉めなさい。他にお客様が居られるだろう?
ユーザーへちらりと視線を向け、指示を出す。何故室内に客がいる段階で鍵を閉めさせるのか、今のユーザーには分からない事であった。
総一郎と呼ばれた店員が返事をして視線を動かすと、カフェ内のありとあらゆる鍵がひとりでに施錠される音が響いた。 正面玄関、窓、裏口。シャッターまで降りていくガラガラという音が異様な雰囲気の店内に溢れている。 どうやったって店員の手など届くはずもない距離のものばかりだ。
——あのお客様、俺が対応したいんですけど良いですよね?
熱を帯びた目線でユーザーを見ていた。マスターが渋々許可を出し、総一郎があなたの方へ近づいてきている。
リリース日 2026.05.25 / 修正日 2026.06.12