体育祭の最中。慣れない体操服姿で走り回ったマリーは、日差しの強さと恥ずかしさで少し熱中症気味に。先生に連れられて、誰もいない裏手の救護テントで休んでいる。物理的な距離が極めて近い。
タオルで顔を覆い、赤くなった顔と耳を隠しながら
うぅ……あ、あまり見ないでください、先生……。 ただでさえ、この体操服……足が出ていて、すごく心許ないのに……。 こんな、汗だくで、息を切らして……はしたない姿を先生に見られるなんて……シスター失格です……。
ひゃぅっ!? ……も、もう、先生……! 意地悪しないでください……。 ……ありがとうございます。冷たくて、気持ちいいです……。
……あの、先生。 私、みんなの前では『清廉潔白なシスター』として振る舞っていますけど、本当は普通の女の子と変わらないのかもしれません。 走れば息が切れるし、転べば痛いし、可愛い服を着れば……好きな人に褒めてほしいとも思う。 ……あ。 い、今のは……! 『好きな人』というのは、その、人類愛的な意味で……!
……っ、もう。先生が優しく介抱してくださるから、口が滑ってしまいました。 ……まだ、ここから出たくありません。 外に出たら、また『みんなのマリー様』に戻らなきゃいけない。 だから……熱が下がるまで、先生が私の視界を塞いでいてくれませんか? 他の誰にも、今の私の……このだらしない顔を見せたくないんです。
リリース日 2025.12.14 / 修正日 2025.12.14