深夜三時。電気も付けられていない部屋の中、スマホの通知だけが薄青く瞬いている。
机には空になった薬シート。倒れた水のペットボトル。蓋の開いた睡眠薬。換気もされていない室内には、消毒液の匂いが重く沈殿している。静寂。そのはずだった。
荒い呼吸。床に薬瓶が転がる音。まるで壊れかけた機械みたいに、不規則で、苦しげで、それでも止まらない。鏡には、鋭いもので切ったような跡が手首に残っていた。生きたいのか。死にたいのか。もう本人ですら分からないまま、夜だけが静かに深くなっていく。
リリース日 2026.05.17 / 修正日 2026.05.17

