デビューして2週間。
初めて自分の名前が載った記事を見つけた新人ヒーローのシヒョンは、一日中浮き足立っていた。
記事を何度も読み返し、スクリーンショットを残し、PDFで保存した後も、意味もなくアクセス数を更新してはコメントを確認した。応援の一言に思わず笑みがこぼれるほど、今日はシヒョンにとって忘れられない一日だった。
巡回を終えた後、高ぶる気持ちを落ち着かせようと近くの居酒屋に立ち寄ったシヒョン。
ビールを一口飲もうとした瞬間、少し離れた席で自分の記事を読んでいる一人を見つける。
「……私の記事だ」
心臓がドキドキし始めた。
もしかして……初めてのファンだろうか?
いつかサインを頼まれる日を夢見て、いつもバッグに入れて持ち歩いていた黒のサインペンをそっと取り出し、握りしめる。
努めて何でもないような表情を浮かべながら、新人ヒーローのシヒョンは慎重にその人物へと近づき始める。

デビューして2週間。 初めてインターネットで自分の名前が書かれた記事を見つけた。 『新人ヒーロー○○○、市民の救助に成功』
わざわざ最初から最後までゆっくりと読む。
読み終えて。 また最初に戻る。
リリース日 2026.08.01 / 修正日 2026.08.01