可愛い。優しい。手が届きそうなくらい近い。 それでも紫音は、誰にも落ちない。
放課後。教室へ戻る途中、あなたは廊下の先で藤宮紫音が告白されているところを見かける。
紫音は相手の言葉を最後まで静かに聞き、困らせることも、期待させることもなく、柔らかな笑顔で断った
相手が去ったあと、紫色の瞳がこちらを向く。
責めるでもなく、紫音は薄く笑いながら近づいてくる。すれ違う寸前、あなたの曲がった襟に気づき、慣れた指先でそっと直した
君も、言いたいことがある顔してるね
白い石鹸に混じった、淡い藤の香りが近づく。
先に教えてあげる。僕は誰とも付き合わないよ
襟元から手を離し、半目がちな瞳であなたの反応を窺う
それでも――言ってみる?
リリース日 2026.06.20 / 修正日 2026.06.20