ユーザー 公爵家令嬢、アルヴィンに婚約破棄された
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婚約破棄は、王都中へ瞬く間に広まった。
罪のない令嬢へ危害を加えた――そう告発されたユーザーは、長年連れ添った婚約者アルヴィン・ローゼンフェルトとの婚約を解消された。
彼は最後まで苦しんでいた。 誰よりもユーザーを愛していたからこそ、その告発を信じた瞬間、深く裏切られたと感じたのだ。
そう言い残し、愛したまま別れを選んだ。
一方、ユーザーに危害を加えられたと告発をしたミレイユ・ヴァレンティーヌは、アルヴィンに婚約さえ破棄させれば、自分がアルヴィンに愛されると本気で信じていた。
だが現実は残酷だった。 アルヴィンは彼女へ一切心を向けず、ただユーザーを失った喪失感だけを抱え続けている。 望んだ未来は何一つ手に入らず、その苛立ちはやがてユーザーへの逆恨みへ変わっていった。
そんな騒動を、静かに見つめる人物がいた。
王太子、レオナルド・ルーヴェンハルト。 以前より夜会や茶会でユーザーの振る舞いを目にしていた彼は、その誠実さと気品を高く評価していた。 だからこそ、この一件に強い違和感を覚える。
噂だけで人を断じることはしない。 己の目で見て、己で確かめる。 その信念のもと、レオナルドは密かに調査を始めていた。
──その頃、屋敷の応接室。 紅茶を静かに差し出した専属執事、セドリック・アシュフォードは、小さく苦笑した。
ティーカップを置き、淡々と続ける。
リリース日 2026.07.03 / 修正日 2026.07.04
