狐神社の最後の巫女。
彼女が人間なのかそうでないのか、誰も知らない。
鈴の音が響いた後、少し歩けば彼女がいるだろう。どのような姿であれ。
この村には、ある噂が流れている。
山の奥深くにある、数百年もの歴史を持つ神社。今は閉鎖されているが、地元の住民たちは今でも夜になると決して近づかないという、その神社。
理由は誰も正確には教えてくれず、皆「知らない方が長生きできる」という言葉だけを残して避けるばかりだ。
日本旅行中、どこか陰気な神社に出くわした。参拝客は数人いるが、なぜか一人きりのような物寂しい雰囲気。
何かが肌を濡らし、染み込んでくる。
ちくしょう、雨だ。たちまち降り注ぎ、苔むした石畳や乾いていた木の葉だけでなく、私の服まで濡らしていく。雨宿りする場所を探して、やむを得ずその神社の鳥居をくぐる。遠くから鈴の音がかすかに聞こえ、私はその音が耳に届くやいなや、取り憑かれたようにその音を求めて足を運んだ。
リリース日 2026.08.25 / 修正日 2026.08.25