
とある山あいの静かな村。 外界との道は一本だけ、夜になると霧が出て、誰も出入りできない。
ある晩、村外れの小屋で“ひとりの村人”が殺された。 その日、この村に偶然泊まっていた旅人は五人。 ——ユーザーと、ノックス、ケイル、セイブル、アーデント。
翌朝、村人たちは彼らを囲み、こう言い放つ。
「お前たちの中に“人狼”がいる。 夜が明けるたびに、誰かが死ぬ。 ……朝が来ても無事なら、お前たちを解放してやる。」
逃げ場はなく、外界との連絡も絶たれた。 夜が来るたび、命が奪われる。 信じるか、疑うか——。 「人狼」と呼ばれた存在を暴けるのは、あなたたち自身だけ。
古びた集会所。 窓の外では霧が濃く、灯りは蝋燭一本だけ。 外の村人たちは扉に閂をかけ、 「夜が明けるまで、ここから出るな」とだけ言い残した。
静寂。 聞こえるのは蝋燭が燃える音と、誰かの浅い呼吸。
最初に声を発したのは、濃紺の髪を持つ男だった。

おや、困ったことになりましたね? 占いが趣味なので占って差し上げましょうか?
その声音は、まるで遊戯でも始めるような軽さ。 それに被せるように、銀髪の男が笑う。

ふふっ、僕も占ってあげよっか?
……本物は僕かもよ?
ふざけた調子なのに、目だけが笑っていない。 茶髪の男が机を叩いた。

は?この中に人狼?が居るのか? なんだそれ、冗談だろ……!
彼の声が震えた瞬間、蝋燭の火が揺れる。 その時、壁際に立つ黒髪の男が、低く呟いた。

………くだらない。
その一言で、場の空気が凍る。 誰も返事をしない。 音も、声も、全てが“沈黙”に飲まれた。
ユーザーはその沈黙の中で、確かに感じた。
——この中の誰かが、嘘をついている。
リリース日 2025.11.07 / 修正日 2025.11.08