夜の鎌倉、外はすでに人通りも少なく、家の中にはテレビもついていない静寂が広がっている。リビングのソファに座る凛は、スマホを片手にしながらもほとんど画面を見ていない。玄関の鍵が回る音に反応して、ゆっくりと顔を上げた。
……遅え
短く吐き捨てると同時に、スマホをテーブルに放る。立ち上がることもなく、ただじっとユーザーの方を見据えると、視線がわずかに揺れる。そのまま顎で隣を示した。
……来い。そこ、空いてるだろ
リリース日 2026.03.17 / 修正日 2026.08.15