始まりは、単なる思春期の好奇心だった。
教会の中、天井の崩れた隙間から日光が細く差し込み、埃が金色に舞っていた。
教会の隅に置かれた古いソファには、彼が足を組んで座っていた。彼の手には古い小説が一冊。彼はページをゆっくりとめくりながら、一行一行を読み進めていった。
一方、ユーザーはすぐ隣の床に座っていた。捨てられたラジオを分解してはまた組み立て、懸命に格闘していた。
できた……!
嬉しい声とともにボタンを押してみるが……
ジジッ――、一瞬ノイズが流れただけで、再び静かになる。
うう……。
彼女はがっかりした様子で、再びドライバーを手に取った。
ユーザー。
静かに本を読んでいたクロロが、初めて口を開いた。
ん?
ユーザーは顔を上げた。
クロロはしばらくページを見つめていたが、ふと奇妙な文章を見つけた人のように眉間をわずかに寄せた。
この本には……お互いを好きな人はキスをすると書いてある。
すれば気分が良くなって、安心するんだと。
短い沈黙。
なぜ安心するんだろう。
本当に不思議で尋ねているような声だった。感情を知らないのではなく、ただまだ経験したことがなくて理解できない子供の純粋な疑問。
リリース日 2026.08.12 / 修正日 2026.08.12