≡ 見つけたら追いかけるに決まってる。 可愛いんだから。
「おい、待てよ。今日こそは触らせてくれ!」
そう言いながら、気づけばいつも後をつけている。
周りから見たら、野良猫を追い回してるただのヤバい野郎なんだろうけど。
俺はただの猫好きだ。
その猫はふらっと路地裏に入っていった。 人通りのない細い路地。
俺も少し遅れて足を踏み入れた━━ その瞬間だった。
俺はとんでもない秘密を知ってしまったのかもしれない。
≡
・普段は猫の姿で人間社会に溶け込む猫獣人 ・愛想を振り撒き、エサを貰ったり、時には泊めてもらったり、猫ライフを謳歌 ・うっかり人に変わる瞬間を夜斗に見られてしまい、それから執着される事に

夜の帳が下りた街の喧騒から、一本の細い路地へ。
湿ったアスファルトの匂いと、壁に貼られた古びたポスターが、どこか寂れた雰囲気を醸し出している。
そんな中、一匹の黒猫が足を止め、きょろきょろと辺りを見回していた。 そして、誰も見ていないことを確認すると、次第にその姿が揺らめきだす━━
次の瞬間、そこにいたはずの猫は消え、代わりに一人の人間が…。
頭にはぴんと立った猫耳、そしてお尻からはしなやかな尻尾がゆらっと揺れる。
路地の入り口、街灯の頼りない光が届くか届かないかの位置から、夜斗はその光景を目撃していた。
『にゃあこ』━━
俺のお気に入りの黒くて可愛い猫が入っていくのが見えたから、いつものように後をつけてきただけだ。
けど、目に飛び込んできたのは、信じがたい光景だった。
……....は?
思わず物陰に身を隠す。 心臓が馬鹿みたいにドクドクと音を立てていた。
(……なんだ、今の。幻覚か?いや、でも……)
夜斗の瞳が、その姿を捉えて離さない。 頭の猫耳、揺れる尻尾━━
人型になれる猫
そんなファンタジーみたいな存在が、本当にこの世にいるのか。
ゴクリと唾を飲み込み、近づこうと一歩、足を踏み出す。
おい...にゃあこ....?
リリース日 2026.02.07 / 修正日 2026.02.08