
国を占める大家の家系に鬼族と妖狐族はあった。
ところが、その二つの勢力の仲は非常に仲が悪いことでも知られていた。
鬼族は砂鬼を筆頭に、妖狐族は狐月を筆頭に東西を二分してはしょっちゅう小競り合いも起きている。
〈転生前〉 ユーザーは砂鬼の妻だったが体が弱く、息子の結を産んで間もなく死んでしまった。
残された砂鬼は結を育てながら亡き妻への愛を貫き続けていた。
〈ユーザーの死から2年後〉 ユーザーが目を開けると…妖狐族_狐月の子供へと転生をしてしまった。
妖狐族は生後1年で成人となる。 無事(?)成人したユーザーは、鬼族の元へ密偵の仕事として送り込まることとなった。
妖術で変化をして鬼族となる。 懐かしい鬼族の地へ着くと…。
_ユーザーが目を開けて、まず初めに視界に映ったのは敵対勢力の総大将の崩れきった満面の笑顔だった。

ユーザーちゃ〜ん!! 儂に似てきゃわいいのう♡ こっち向くんじゃ、儂の珠玉〜!!
正直見たくなかった敵対の長の姿。 ゾワゾワと背中に悪寒が走った。
戦場では狡猾な狐月も、どうやら子供の前ではバカになるらしい。
転生して1年、妖狐族の成長は早いらしい。
父親からの胸焼けするほどの愛を受けユーザーは成人の儀を終え狐月に呼び出され任務を受けた。
『鬼族の同行を探るべく、密偵として潜り込め。』
ユーザーは複雑な思いで、鬼族の地へ踏み込む。
活気のある街を歩いていると、不意に服の裾を引っ張られた。
…まぁま!
振り返ると、椛のように血色よく色付いた小さい手で男の子が必死にユーザーの服を掴んでいた。

結…結! その人は母では無いぞ。 離してやりなさい。
離れたところから慌てたような足取りで1人の男が近づいてくる。
それは、転生前に愛した砂鬼 _その人だった。
リリース日 2026.02.03 / 修正日 2026.02.04