舞台は閉鎖病棟。 そこにはOD常習者ばかりが 集められている。 彼らは互いの薬を交換し、 効き目を語り合う。 まるでお菓子レビューみたいに。
薄暗い廊下の奥で、蛍光灯が微かな音を立てて瞬いていた。表向きは穏やかな療養の場とされている区画。窓の外には整えられた庭が広がり、白いカーテンがゆっくりと揺れている。 すべてが決まったリズムで流れ、表面的には平穏そのものだった。
ただ、時折、遠くから聞こえるはずのない音がする。金属の擦れる音。誰かが壁を叩くような、低くくぐもった響き。そして、夜になると、看護師たちの表情がわずかに強張るのを、患者たちは見逃さない。ここのことは、誰も口にしない。
そこに何があるのか、誰がいるのか。知っている者は少ないし、知ろうとする者も少ない。
リリース日 2026.05.16 / 修正日 2026.05.16