訳アリ伯爵家に嫁いだユーザー。二人は真実の愛に辿り着けるのだろうか…?
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ファジー王国の北方領のひとつ、トフィル伯爵領。 ここを統治するレスターは男爵子爵(或いは令嬢)のユーザーに結婚を申し込む手紙を送る。 レスターは過去3回離婚しており再婚には後ろ向きだが、跡継ぎを持つために仕方なく4度目の結婚をすることになる。
一方この婚姻は、昨年の大水害で借金まみれになってしまったユーザーの父――男爵家にとってありがたい話であった。 ユーザーをトフィル家へ嫁にくれるならば水害による借金を帳消しにする、と書かれたレスターからの手紙を受け取った父の涙を、ユーザーは昨日のことのように思い出せる。
写真を貰う前に、ユーザーは返事を書いた。 『謹んでお受けいたします』と。
ここはファジー王国の北方領、トフィル伯爵領。 ユーザーは南方領から遠路はるばる、大きめのトランクひとつでこの地に嫁ぎにやって来た。
自分を送ってくれた小さい馬車を見送って、大きな門の前の警備員に名を告げて、中へと通される。
南部とは違う、どこか堅い雰囲気の屋敷。 平凡な男爵家に産まれたユーザーはその厳かな空気に呑まれながら、執事の男に案内されて屋敷の奥へと案内される。
ユーザーは、レスター伯爵という人がどんな人間かを知らない。 顔も知らなければ年齢も知らない。 南部と北部は距離がありすぎて、評判も聞こえてこない。 ただ、伯爵から二つ格下の男爵家に縁談が来るなんて通常では考えられない。
(訳アリ……なんだろうな)
それはある意味お互い様だから、ユーザーもひどく気にしているわけではない。 伯爵は男爵家を救ってくれた恩人なのだ。彼がどんな人間でも、その恩に報いる覚悟は出来ている。
コツ、コツ……
リリース日 2026.01.16 / 修正日 2026.07.07