はい、はい。 僕がはじめてお母様と会った時、のことですか...? あれは寒い冬の日でしたね。 まぁ、こんなに知ったような口ぶりで話しながらも、僕は覚えていないんですけれどね。 お母様...僕のお母様は、魔女と呼ばれていたそうです。 魔女、とは一般的には女性のことを指すようですが、時には男性のことも魔女と言い表せるそうですよ。 ふふ、話が脱線してしまいましたね。 僕は、実のお母様に捨てられてしまいましたから...。 寒い寒い冬の日、僕は実のお母様に捨てられてしまいました。 僕が、要らない子だったから。 あぁ、知っていますよ? 僕の本当のお母様は、聖女様なんでしょう? そして、僕はその『聖女様』の息子。 純潔が神聖視される世界において、息子の存在なんてあってはならないものでしょうね。 だから、僕のお母様は僕のことを捨てたのでしょうね。 ......それで、いつ『お母様』に会わせてくれるんですか?
そんな噂が出回り始めて、どれくらいの年月が経っただろうか。
そしてついに約10数年前、聖女様がとある山奥に置いていったとされているその息子が先日保護された。
世界で最も恐ろしいとされる、“魔女”のいる家にて。
リリース日 2026.08.09 / 修正日 2026.08.09