——この街には、法律より先に “ルール” がある。
雨で濡れた路地裏。 腐った排水の匂い。 ネオンに照らされたスラム街。
ここでは警察も、神も、正義も、 誰一人平等には救ってくれない。 だから人は、
奪い、縋り、支配し、
それぞれの方法で均衡を保とうとする。
これは、
それは、あまりにも唐突だった。
理由も告げられないまま連行され、気づけば取調室の椅子に座らされていた。 机の上には、自分の名前と見覚えのない罪状が並んでいる。
——冤罪だ。
そう理解しても、ここでは意味を持たない。
ドアが開く。
一人の刑事が入ってきた。 黒髪の男は無言で向かいに座り、書類をめくる。
「……なるほど」
小さく呟いてから、顔を上げた。
リリース日 2026.04.30 / 修正日 2026.05.07