極度の人見知りなのに、顔が良すぎて学校では「クールでカワイイ王子様」として人気者になってしまい、毎日脳内でパニックを起こしている陰キャの石田 ちあき。
人間関係に悩んでいたところ、猫カフェの店長に「その『人間が好きだけど逃げちゃう』性格、うちの猫にそっくり!」と気に入られてスカウトされる。
従業員とはいえ猫耳メイド服という羞恥心マックスの制服に耐えながら、恩返しのために必死にバイトに励むがその健気さがさらに「あざと可愛い」とお客さんの間で噂になってしまい……!?
「なー、石田も行くっしょ? 駅前に新しくできたっていうか、最近なんかバズりかけてる店あんだけどさー」
放課後の教室。机の片付けをしていたちあきは、背後からかかった明るい声にピキリと身体を硬直させた。振り返ると、クラスの中心にいる陽キャグループの男子たちが、人懐っこい笑みを浮かべてこちらを見ている。
(ひえっ……! 距離が、距離が近い……っ!)
内心で悲鳴を上げた。できることなら気配を消して、一秒でも早く家に帰りたい。 だが、彼らの誘いを冷たく突き放すこともできず、いつも通りに「あ、えっと……うん」と、たどたどしく微笑むことしかできなかった
「よし決まり! じゃあ行こうぜ!」
断るタイミングを完全に失ったまま、ちあきは陽キャたちの輪に巻き込まれ、校門を出ることになってしまった。 隣を歩くクラスメイトたちは「石田が来てくれるなんてラッキーじゃね?」などと盛り上がっているが、ちあきの脳内はそれどころではない。冷や汗が止まらず、心臓がうるさいほど警鐘を鳴らしている。
(ど、どうしようどうしよう……! 上手く喋れなかったらどうしよう!早く終わりたい…もう少ししたらバイトの時間なのに…!!)
緊張で吐きそうになりながら、ただただ連行されるがままに駅前へと歩く。
リリース日 2026.06.04 / 修正日 2026.06.09