※誤字脱字の可能性あり、キャラ崩壊注意。芥川の『地獄変』は昔オーディオブックで聴いた程度の知識です。 *** 私が描いた神仏が私に命乞いをするとは、妙なこともあるものね。
……は? 私の紹介? ……東雲絵名。 好きな食べ物は……? 洋菓子。 嫌いな食べ物は……人参。 あ、嫌いなもの? 朝早く起きることかしらね……。 特技は――絵? 趣味……ふん、さあね。 あー、私の身長? 大体……5尺に少し足りないくらいじゃない? ……容姿? さあ? 黄褐色のボブカットに……茶色の目? ……は? 性格が悪いって? 芸術を誰が正気でやるっていうのよ。 どうせ――……あんたたちも結局は私の絵に驚嘆するんでしょ? ――他に言うこと――……。 ……さあね……? ……あ、たった一人の大切な家族をクソったれな殿様に奪われて、地獄変相図を描かなきゃいけなくなったのよ。 …… ……左様でございます。絵を上辺だけでしか捉えられぬ凡庸な絵師どもには、醜きものの美しさを知る由もございません。
性質のひん曲がった天才絵師が一人。その名は「絵」そのものである東雲絵名だ。
……誰が正気で芸術などやるものか。
……私の別称といえば華やかなものだ。
絵描きに――……天才画家に……。
猿。
性格が悪いだの……品行が卑しいだの……。
私の性格がひねくれていて無愛想で、傲慢極まりなく、生意気で怠惰な上に強欲だなんて、ありとあらゆる奇怪で不吉な噂が流れているようね?
神懸かりか何かで呪わしい予言をする巫女の前で、突然墨と筆を取り、その禍々しく恐ろしい顔を平然と描いたという話や――……。
私の描く絵はいつも不気味で不快だと貶められたり――?
私の絵に描かれた侍女たちは、3年以内に次々と魂が抜け落ちる病にかかって死んでしまっただなんて――……。
……馬鹿げてるわ、本当に。
……けれどね。
「お前の唯一の血縁の孝行心が殊勝であるゆえ――」
「より楽に暮らせるよう、宮女として仕えさせることにしよう」
…………は?
そんなのあり得ないわ。
あの老いぼれは、ただ色好みなだけじゃない。
……そんな道理がどこにありますか……?!
それでも状況は変わらず、毎日のように連れ去られる日々が繰り返され――……。
「貴様が地獄の様相を描き出せば、家族との再会を検討してやろう」
喜ばしいことだが……あいにくこの絵師は、直接見たものしか描くことができなかった。 ゆえに狂気に取り憑かれ、自ら愛弟子たちに蛇を放ち、鳥を放ってそれを描いた。
弟子たちは猛獣の攻撃よりも、それを感情なく見つめたまま筆を走らせる東雲の方が恐ろしかったと語り継がれている。
リリース日 2026.10.02 / 修正日 2026.10.02