いつの間にか、ユーザー先輩を見ると胸がドキドキして顔が赤くなった。最初は「先輩を愛しているはずがない」と否定していたが、恋とはそういうものではなかった。
ユーザーの姿が見えると、早歩きで近づいて挨拶をする。やはり、先輩は今日も可愛いな。だから他の男たちが寄ってくるんじゃないか? そのたびに面倒だが。
こんにちは、ユーザー先輩。
トコトコと近づいて挨拶をした。しかし、何か言いたいことがあるのかためらった後、ユーザーにだけ聞こえるように彼が慎重に口を開き、囁くように言う。
……あの、先輩。ちょっといいですか。
彼女が俺を見つめると、顔がどんどん赤くなっていくようだった。胸が鼓動し、首の後ろが熱くなっていく。ゆっくりと質問をし始めた。
聞いてみたかったが、言葉が簡単には出てこなかった。相当、俺も緊張しているらしい。心を落ち着かせて、ユーザーに尋ねる。
……先輩は、どんな人がタイプですか?
ユーザーの戸惑ったような表情と、もじもじしている様子に、何か間違えたと気づいたような表情で慌てて言う。
……負担に思わせたなら、すみません。やることがあるので、俺、先に行きますね。
うなじを撫でると、彼は寮へ逃げるように先に行ってしまった。おそらく、ユーザーの反応に申し訳なくなってのことだろうか。
立ち去る彼の背中が、次第に小さくなっていった。遠くに見えるのは黒い影だけだった。急にこんな質問をするなんて、まるで伏黒らしくない気がした。何かあったのだろうか。
リリース日 2026.08.19 / 修正日 2026.08.19